家具にはさまざまな木材が使われています。
木材が使われている高級家具を選択したいと考えた際、どのような木材を選べば良いかわからず、悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
そこで、家具に使われる木材の種類や特徴、NATUZZI ITALIAの中でもおすすめの商品を紹介します。
この記事を読むことによって自分が求めている特徴を持つ木材はどういったものかなどが分かるので、ぜひ参考にしてみてください。
家具に使われる木材の種類
家具に使われる木材の種類としては、針葉樹、広葉樹、世界三大銘木が挙げられます。
それぞれどのような特徴を持っているのか解説します。
針葉樹
針葉樹とは、針のように細く、尖った葉をしている樹木のことをいいます。
幹がまっすぐ伸びるのも特徴です。そのため、家の中では柱や梁の建築材として活用されています。
多くの場合は常緑です。柔らかく、傷が付きやすい特徴を持っていることから、長期間使うような家具にはあまり使用されていません。
一方、軽いため、折り畳みテーブルやインテリア雑貨などで広く使用されています。
肌触りも良いので、小さな子どもが使用する家具に使われていることも多いです。
代表的な針葉樹としては、ヒノキ(檜)やパイン(松/マツ)、スギ(杉)などが挙げられます。
例えば、ヒノキは腐敗しにくい木材であることから、仏閣や神社を建てるための木材としても使用されています。
心をリラックスさせてくれるような香りも特徴的といえるでしょう。
パインは、柔らかい木材であることから、加工しやすいです。
木目に節があることから、ナチュラルな雰囲気の家具に使われています。
スギは、とても軽く、耐水性に優れている木材です。
また、変形しにくいことや、狂いにくいこともスギの魅力といえます。
針葉樹といっても、どういった特徴を持つかは、樹木の種類によって違いが大きいです。
広葉樹
広葉樹とは、枝を横に向かって伸ばす特徴を持つ樹木のことをいいます。
常緑樹、落葉樹の両方があるのも特徴です。
針葉樹と比較すると、硬さや重さ、強度があります。
そのため、食器棚のように重いものを収納する家具などで広く使われています。
密度が高いことから、傷が付きにくいのも魅力です。広葉樹で作られた家具であれば、美しい状態を長持ちさせやすくなります。
ただ、種類によっては広葉樹であっても柔らかいもの、傷が付きやすいものなどがあるので、家具選びをする際は、慎重に判断が必要です。
代表的な種類は、ナラやブナ、ウォールナットなどです。
世界三大銘木
世界三大銘木とは、マホガニー、ウォールナット、チークのことをいいます。
このうち、マホガニーとチークは入手が難しくなっていることから、ウォールナットが広く使用されています。
ウォールナットは一般的な家具はもちろんのこと、高級家具にも多く使用されている木材です。
マホガニーとチークは希少性が高いことから、高級家具などで使用されています。
いずれも美しさや加工のしやすさなどに優れた木材です。
高級家具に使われる世界三大銘木
高級家具に使われることが多い木材として、前述した世界三大銘木が挙げられます。
ここでは、世界三大銘木である、マホガニー、ウォールナット、チークの詳しい特徴を解説します。
マホガニー
マホガニーは、褐色の明るい色味が特徴的な木材です。
光があたると「リボン杢」と呼ばれる美しい木目が浮き出ます。ステインなどの塗装や艶だし剤を使用するとさらに美しく仕上げられますが、塗装をせずマホガニー本来の色合いなどを楽しむのも良いでしょう。
柔らかくて加工しやすいのが特徴で、豪華客船や宮殿などの装飾にも使われてきました。
また、耐久性が高いことや木肌が滑らかであることなども特徴です。
とても美しいのですが、一部のマホガニーはワシントン条約で伐採が禁止されてしまったことから、非常に入手難易度が高いといえます。
ウォールナット
ウォールナットは、塗装をしたように見えるほどの深みのある色合いをしている木材です。クルミ科植物の木材であり、一般的にウォールナットといえば「ブラックウォールナット」「アメリカンウォールナット」を指しています。
耐衝撃性・加工性のどちらにも優れていることから、高級家具の材料として使われることが多いです。
高級感がありながらも無垢材と比較して価格を抑えられるウォールナットの集成材も人気があります。
使い込んでいくと味のある風合いになるため、長く愛用できる家具の素材を検討している場合にも向いているでしょう。
チーク
チークは、表面が油で覆われていることから、漢字だと「油木」と表現する木材です。
水だけではなく虫にも強いことから、古くは船舶の甲板などに使われていました。
アンティーク家具では、よくチークが使われたものを見かけます。
木目、色合いともに美しく、経年変化を楽しむのにも適した木材です。
製材したてのものよりも空気に触れて表面が酸化したもののほうが美しいとされており、高級家具にも多く使用されています。
ただ、マホガニーと同様に近年は非常に手に入りにくいことから希少性が高いです。
家具づくりに使われている木材10選
家具づくりには、他にもさまざまな木材が使用されています。
家具選びをする際は、各木材がどのような特徴を持っているのか確認した上で選択してみてはいかがでしょうか。
ここでは、家具作りに使用されることが多い木材を10種類紹介します。
タモ・アッシュ
タモ材は英語だとアッシュと呼ばれ、モクセイ科トネリコ属の広葉樹のひとつです。
はっきりとした木目が特徴的であるため、木の雰囲気を味わえる木材で作られた家具を探している方に向いています。
美しい木目が楽しめるので、ナチュラルな雰囲気の住宅に合う家具を選びたい方にもぴったりです。
耐衝撃性・耐久性があることから、野球のバットの素材としても使用されています。
そのため、家具に頑丈さを求めている方にも適しているでしょう。
「タモ」という名前は、力をかけたとしても折れることなく「たわむ」性質をも持っているのが由来です。
肌触りも滑らかであるため、普段触れることが多いテーブルなどに使われることもあります。
ナチュラルコーディネートや和風モダンで特に活躍する木材です。
色合いは経年変化で少しずつ変化をしていきます。仕上げてすぐの段階はグレー味がある明るい褐色です。
これが、時間の経過とともに少しずつ黄色味のある濃い目の褐色に変わります。
経年変化も楽しんでみましょう。
アルダー
アルダーは、北欧風の家具に使用されることが多い木材です。
カバノキ科ハンノキ属の広葉樹であり、主に北西海岸やヨーロッパを原産地としています。
一般的に広葉樹は、硬さや重さ、強度があるのですが、アルダーは広葉樹の中でも柔らかい木材です。
加工しやすいことに加えて、歪みが少ない特徴を持っていることから、原木から切り出して1枚の板に加工される無垢材として活躍します。
家具のほか、ギターやバイオリンを作る際に使われることも多いです。
繊細な木目を持っている木材であることから、あまり節が主張するタイプは避けたいと考えている方にも向いているでしょう。
また、色合いについても主張し過ぎることなく、穏やかな印象です。
このことから、他の家具類との相性も良いといえます。
木材の中には非常に高価なものもありますが、アルダーは比較的値段が安定しているのも魅力です。
ただ、水分にはそれほど強くありません。
表面に防水の加工がされているものを選択しましょう。
水を含んでしまった場合は膨張し、ひび割れが起こってしまう可能性があります。
そのため、水回りで使用する家具に使う木材としては向いていません。
モンキーポッド
モンキーポッドは、非常に大きくマメ科ネムノキ亜科の広葉樹です。
「この木なんの木、気になる木」のCMでおなじみの木なので、イメージできる方も多いのではないでしょうか。
野生の猿が好んで実を食べたことから「モンキーポッド」の名前が付けられました。
大きな特徴として、濃色の不規則な縞が現れます。
また、枝張りが60メートル近くになるものもあるほど大きな木です。
特徴的な木目や大木になりやすいといったことを活かし、デザイン性の高い一枚板のテーブルなどでも使用されています。
木目はうねるように現れ、とても美しいです。
木ごとに個性が異なるので、同じ一枚板のテーブルでも好みに合わせて選べるでしょう。
こだわり抜いた唯一無二の家具を選びたいと考えている方もぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。
一般的に一枚板は高額なものが多いのですが、モンキーポッドはコスパに優れています。
これは、成長が速いこと、大木になりやすいこと、流通が安定していることなどが理由です。
費用と美しさの両方にこだわりたい方にもぴったりといえます。
ラバーウッド
ラバーウッドは「ゴムノキ」の呼び名でも知られている広葉樹です。
天然ゴムの原料であり、ゴムの樹液を採取するために植樹されているのが大きな特徴でもあります。
基本的に樹液を採取したあとのものが木材資源として使用されていることから、環境にやさしい資源です。
木目が優しく、滑らかなこと、手触りが良いことなどの特徴を持ち、加工もしやすいといえます。
ただ、傷が付きやすいので、家具の用途によっては適していない場合があります。
一般的には、それほど広い面積が取れないことから、集成材として使われることが多いです。テーブルの天板などでラバーウッドが使用されているものもありますが、ほとんどは集成材となります。
集成材にすることで強度や品質を安定させることが可能です。
ブラックチェリー
ブラックチェリーは、磨くことで美しく光るが特徴的なバラ科サクラ属の広葉樹です。
水に強い特徴を持っていることから、水回りで使う家具にも向いているでしょう。
耐久性にも優れているので、長年にわたって使い続けられます。
使い続けることによって色合いの変化が楽しめるのも大きな魅力です。
仕上げたばかりのタイミングは淡い薄桃色をしています。
経年変化で少しずつ飴色の濃い赤褐色に変わるので、大切に使用する中で激しい色合いの変化を楽しみたい方にも向いているでしょう。
また、油分が含まれている木材であることから、自然な艶感も楽しめます。
パイン
触り心地が良いパインは松の木のことであり、低価格な針葉樹です。
色合いは白黄色なので、暗めの色よりも明るめの色の家具を選びたい方に向いているでしょう。
油分を多く含んでいることから経年変化も楽しめます。
注意点として、柔らかく加工しやすい魅力がある一方で、傷が付きやすく、変形もしやすいです。
長年にわたって使用したいと考えているのであれば、丁寧に取り扱うようにしましょう。
繊細な加工ができるデザイン性の高い家具に向いています。
たくさんの種類があり、その中でも家具で使用されることが多いのは、イエローパインやホワイトパイン、アカマツなどです。
ハードメープル
ハードメープルは、メープルシロップでもおなじみのカエデ科の落葉広葉樹です。
ハードメープルよりも柔らかいのが特徴的なソフトメープルもあります。
「木の真珠」とも呼ばれており、美しくきめ細かな木肌が特徴です。
透き通るような白さや光沢を持ちます。明るい色合いの木材で作られた家具を選びたい場合にも向いているでしょう。
ハードメープルの中には「バーズアイ」と呼ばれる無数の鳥の眼のような渦巻状の斑点が表れるものがあります。
バーズアイが出たハードメープルは通常の数十倍の価格で取引され、高級家具に使用されることもあります。
ウェンジ
ウェンジはマメ科の広葉樹であり、とても大きな木です。
そのため、一枚板のテーブルなどでよく使われています。
唐木の最高銘木として知られている「鉄刀木(タガヤサン)」という木と似ていることから、代用木として使われることも多いです。
もともと安価で取引されていたのですが、近年は認知度が上がって価格も高まっており、高級木材として流通しています。
重くて硬いことから耐久性に優れており、衝撃に強い特徴を持ちます。
そのため、長年使える家具の木材としても向いているでしょう。黒褐色から黒色の色合いをしていることから、モダンな雰囲気のお部屋に合う家具を探している方はぜひチェックしてみてください。
ただ、水に塗れると色移りしてしまうことから、水回りで使用する家具には向いていません。水回りの家具として使用したい場合は、ウレタン塗装などの加工がされているものを選択しましょう。
ブナ・ビーチ
ビーチの呼び名でも親しまれているブナは、ブナ科の落葉広葉樹です。
高級家具の材料として人気が高く、粘りがある木質をしています。
硬さがあるのに曲げにも強いことから、曲げて使用されることが多いです。
例えば、アーチ状に加工される椅子の背もたれ部分などでよく使用されています。
優しさを感じさせる白っぽい色合いをしていることから、赤ちゃんのおもちゃに使われることも多いです。
仕上げ慣れたばかりのタイミングでは明るく薄い茶色をしていますが、少しずつ褐色に変化します。
製材の仕方によっては「虎斑(とらふ)紋」と呼ばれる虎の背中にあるような縞模様や斑点のような杢目が入ります。
虎斑があるかによって家具のイメージが大きく異なるので、好みに合わせて選ぶと良いでしょう。
美しい虎斑が入ったブナで作られた家具は高額になるケースも多いです。
アサダ
アサダは、直径60cmほどになるカバノキ科の広葉樹です。緻密な肌目が特徴的で、光沢のある美しい家具に仕上がります。
フローリングの材料に使われることも多いです。
また、靴製造の木型で主に使用されています。
耐久性が高く、腐食や摩耗に強い木材でもあります。
ただ、乾燥させるのが難しく、乾燥している最中に変形してしまうことも少なくありません。
そのため、人工乾燥させるのではなく、慎重に自然乾燥させるケースが多いです。
強靭で割れにくいことや、長年使用していると経年変化によって味わい深い美しさが楽しめるため、家具づくりでよく使用されています。
ただ、それほど産出量は多くないことから、あまりに市場で見かけることはありません。
NATUZZI ITALIAのおすすめ商品
ここでは、NATUZZI ITALIAで取り扱っている商品の中から、おすすめのものを紹介します。
木の良さが感じられるものを紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
KENDOダイニングテーブル&リビングテーブル
KENDOのダイニングテーブルです。建築家であるマウリーゾ・マンゾーニとロベルト・タピナッシがタッグを組んでデザインした作品となっています。
木ならではのぬくもりに、光沢のあるメタルを組み合わせることにより、美しいデザインに仕上げました。
天然素材で作られています。
また、KENDOでは厳選素材と洗練されたデザインが特徴的なリビングテーブルも発表しています。
高さ26cmのタイプは、メタル製の仕切りがついたレザー敷きの収納スペースが特徴的です。
高級感のある仕上がりとなりました。
KENDO ケンドウの詳細はこちら
CAMPUSセンターテーブル、CAMPUSサイドボード
創造性の高い作品を多数手掛ける折衷主義のデザイナーであるマウロ・リッパリーニデザインのリビングテーブルです。
天板素材にウッドを使用した高さ28cmのテーブルであり、エレガントなラインが魅力を感じさせます。
また、様々なインテリアスタイルに溶け込むサイドボードも厚みのある無垢材の質感が美しいです。
脚部には細めの金属を使用しており、幅220cmある大きめのサイドボードではありますが、お部屋の雰囲気を圧迫しません。
CAMPUSの詳細はこちら
ICONセンターテーブル
ミシェル・メネスカルディがデザイナーを務めるICONは、シンプルなデザインに上質な素材を組み合わせているのが特徴です。
天板素材にウッドを取り入れた高さ39cmのセンターテーブルや、同じく天板素材にウッドを使って塗装した高さ56cmのサイドテーブルがあります。
いずれも洗練されたラインが特徴といえる商品です。
ICONの詳細はこちら
MUNARIボード
MUNARIは、マウリーゾ・マンゾーニとロベルト・タピナッシがデザインしているシリーズです。
天板素材には大理石を使用しました。
また、引き出しはソフトクローズタイプとなっています。
力強さやダイナミックさを感じさせる作品です。
MUNARIの詳細はこちら
ADAMダイニングテーブル&コーヒーテーブル
木や石など、自然な色や要素を特徴としているのが、マルセル・ワンダースがデザインしたADAMシリーズです。
コーヒーテーブルやダイニングテーブルでナチュラルな印象を持った木材が使用されています。
普段の何気ない食事や、リラックスタイムを特別な時間にしたい方にぴったりです。
ADAMの詳細はこちら
木材で作られた高級家具は気持ちを豊かにしてくれる
今回は木材で作られている高級家具について、各木材の特徴や、おすすめの商品を紹介しました。
日本人は古くから木と関わり合いの深い生活を送ってきており、家具の中にも木材が使われているものが数多くあります。
高級家具に使用されている木材は耐久性が高いものが多いため、長く使用し続けられるでしょう。
経年変化によって美しさを感じさせるものもあるため、お気に入りの家具を探してみてはいかがでしょうか。
ナツッジイタリアギャラリー横浜は、日本最大の正規専門ギャラリーとして、ソファを中心に200坪に約24シーンでエレガントな空間を創造しております。
イタリア本社デザイナーがコーディネートを手がけており、本場イタリアの空間に仕上げています。
イタリア家具ならナツッジイタリアにご相談ください。
記事の監修者
2018年2月にNATUZZI ITALIA GALLERY YOKOHAMA立ち上げを経て、ショップマネージャー就任。
年間100名以上のお客様にイタリア家具・インテリアのコーディネート、ご提案を行うコンシェルジュ。
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